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第4回定期演奏会~見せた!大人の底力~

6月18日。ついに石オケ4thシーズンの集大成の日がやってまいりました。

石神井Int’lオーケストラ第4回定期演奏会。昨年と同じ、清瀬けやきホールにて開催されました。

 

「おはよう!」と朝の挨拶を交わした時から、リハーサル、本番、そして打ち上げの大宴会を経て「じゃあ、また総会で会いましょう」と手を振った時まで、ずっと団員たちの笑顔が絶えない一日でした。どの時間も、ああ、この時間が永遠に続けばいいのにと思えたくらい、しあわせな一日でした。

 

 

 

「おはよう」の挨拶もそこそこに、リハーサル開始までのわずかな時間も惜しんで、団員たちは最後の練習に余念がありません。昨年の本番の日より涼しいとはいえ、舞台上は早くも熱気にあふれています。

 

 

 

 

 

 

リハーサルは、演奏の確認のほか、マエストロのこだわりの演出のための段取りの確認、プログラムの真ん中にオクテットを挟むために必要となる舞台レイアウトの転換の確認など確認事項満載のため、時間をオーバーして行われました。演奏リハは、各楽曲のポイントとなる部分の音程確認を中心に行ったのですが、その中で、伊東先生から、まるで神の啓示のようなアドヴァイスをいただきました。小節の2拍目から,しかも難しい2ndポジションで弾き始めるためにどうしても音程が定まらない箇所に差しかかった時、先生はこう言われました。

「音程を間違っちゃいけないと思って恐る恐る出すとどうしても低めになってしまう。正確な音程ということにあまりとらわれずに、もっとリラックスして弾いてごらん。ぜったい上手くいくから。」

言葉どおりリラックスして弾いてみると、不思議なことに思ったとおりの音程が出るではありませんか!

これまで、たくさん練習を重ねてきました。自分を信じて、リラックスさえすれば、必ず練習どおりの音が出せる!練習はけっして裏切らない!

この先生の一言で、筆者は、今日の演奏会のすべてが上手くいく、という確信を得たのでした。

そして、本番が始まってみれば、筆者の確信は、予想どおり、現実のものとなりました!!

 

一曲目、モーツァルトディヴェルティメントK138。マエストロの演出で、着席と同時にロケットスタートするという奇襲をかけましたが、この演出が大成功。観客はマエストロの思惑どおり意表を突かれた様子でした。そして、演奏する団員も、気持ち上がり、モーツァルトらしさを表現できたように思います。観客席からいただいたアンケートでも、評価第一位でした。

奇襲作戦のモーツァルトを大成功で終えると、団員は疾風のように引き揚げていき、選手兼任ステージマネージャーの的確な指示で、オクテットのフォーメーションに椅子が並べ替えられていきます。

 

第二曲目、メンデルスゾーンの弦楽八重奏(オクテット)は、マエストロのリードで、第四楽章の冒頭を使った曲目説明から始まりましたが、ここでも今日の石オケ、絶好調です。コントラバスによる音階の試奏は完璧でした。リハーサルでは、ちょっと苦戦していたトップ八人衆によるリレー模範演奏も上々の出来栄えでした。そして何と、ハプニング率99%は確実とにらんでいたマエストロのMCまで、一度も噛むことなく快調に進み、観客席の期待感を大いに高めることに成功しました。そして、いよいよ演奏開始!「長い曲だから力をセーブして入ろう」との思いはどこへやら。第一楽章冒頭から一同、大熱演です。第一楽章で上がった心拍数を必死で抑えながらの第二楽章と、出たとこ勝負の第三楽章も、今日は上々のできで無事に通過し、いよいよみんなの得意な第四楽章へ。曲目解説で指ならしできたトップ八人衆に引っ張られるように、練習ではなかったくらの高いヴォルテージでフィニッシュを迎えました!

いやあ、よかった、よかった。弾き切った!!

楽屋内には、満足し切ってしまいそうな空気がちょっと漂いましたが、いやいや、まだここで安心している訳にはいきません。後半戦が15分後に待っています。気持ちを切り替えていきましょう。

15分の休憩中も、最後の確認にいそしむ団員もいます。楽屋裏の廊下で、地べたに楽譜を置いて、ヤンキー座りで練習しているのは誰でしょう?

 

そしていよいよ最終楽曲、ドヴォルザークの弦楽セレナードの演奏開始です。第一から第五楽章まで、様々な要素がつまったこの曲に関して、団員の本音を言うと「まだまだ練習不足」。けっして万全の練習を積んで臨んでいる本番ではなかったのです。そんな気持ちの反映からか、全体的にやや安全運転な演奏となったきらいがあったのですが、観客席の評判は意外にも上々でした。その評価につながったものがあるとすれば、それは石オケのチームワークなのではないかと思います。練習を重ねていく中で、いつの間にか「こういう音楽が作りたい」というそれぞれの心が、ひとつに溶け合い、各々の技術を超えた力となって観客席に届いたのでしょう。筆者は、演奏しながら確かに団員たちの「ひとつに溶け合った心」を感じることができました。第五楽章の最後に冒頭の旋律が再現されるところに来たときに「ああ、もう終わってしまう」と感傷的になりかけました。今思えば、みんなでひとつの音楽を作っているこの時間が永遠に続いていてほしい…そんな気持ちが呼び起こした感傷だったのかもしれません。

演奏を終えてたロビーでは、それぞれお友達やご家族らと、充実感あふれる表情で歓談し合う団員たちの姿がありました。

石オケ第4回定期演奏会、大成功です!予告どおりの「大人の底力」十二分に見せつけることができました!!

 

さて、その後は、団員にとっては、もしかすると本番の舞台より楽しみにしていたかもしれない打ち上げ大宴会に突入です。

乾杯の発声は、マエストロのご指名により、この方!当ブログにもたびたび登場いただいた団員たちの人気者、伊東先生が務めます。

乾杯の直後から、いえいえ、一部テーブルでは、乾杯の前から大いに盛り上がっています。どの顔も弾ける笑顔でいっぱいです。これまで、背中を丸めて練習にいそしむ姿しか登場してこなかった団員たちのとびっきりの笑顔をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

お開きの前には、先生方から、ご挨拶をいただきました。

 

安藤先生は、いつも以上にキュートな笑顔で、

 

ローマ彫刻の生き写しと評判の毛利先生も、今日ばかりは眼元と口元をほころばせながら、

 

 

 

いつも照れ隠しにおチャラけたフリをしながら、音楽に向き合う心は誰よりも真面目な伊東先生は、一番の長演説で、

 

 

 

団員へのリスペクトを込めたメッセージと来期へのエールを贈ってくださいました。伊東先生から「リハーサルで今日言われたことをすぐにきっちり修正して、本番で音楽の流れが妨げられるシーンがひとつもない演奏ができた、そのことが素晴らしいと思った」と言っていただけたことが、もっともうれしく、心に残りました。

そして、大トリはわれらのマエストロ、西谷先生。

(あ、お話に集中していたら、写真を撮り忘れてました!先生、ごめんなさい)

西谷先生からは、「今シーズンは石オケのステップアップ第一弾として『量』をこなすトレーニングに力点をおいた。第二弾となる来シーズンは『質』の強化に力を入れてやっていきたい」というお話がありました。マエストロの心の中では、すでに次のシーズンが始まっているのですね。

賑やかかつ和やかな雰囲気の中で打ち上げはお開きとなりました。そして、まだまだ飲み足りない一部団員たちは、場所をホームグラウンドの石神井公園に移して二次会へと再突入していきました。

 

最後になりましたが、本日第4回定期演奏会を大成功に導いてくださったすべての皆様に感謝いたします。西谷先生はじめ、ご指導くださった講師の先生方、ありがとうございました。裏方で支えてくださった皆様、サポートメンバーとして演奏に参加してくださった皆様ありがとうございました。選手兼任で円滑な演奏会の運営にご尽力くださった事務局とステージマネージャーの皆様、本当にお疲れ様でした。場内放送で頑張った高校生団員たち、素晴らしかったですよ。打ち上げのお世話をしてくださった皆様もありがとうございました。ご来場くださったお客様、陰に陽に応援してくださった皆様、ありがとうございました。そして今日、演奏を共にし、至福の時間を一緒に作り上げてくださった団員の皆様に心から感謝します。

 

また2か月後、今日、最後に手を振った時と同じとびきりの笑顔で再会いたしましょう!!!

 

 

by A.E.<Vn>