9月11日の練習会 ~指される!~

第2回練習前

9月に入りました。第8シーズンも、今日からいよいよ本格的な練習が始まります。

 練習開始の1時間ほど前に猛烈な雨に見舞われて、出足が心配されましたが、全員無事に到着し、今日は出席率も高く、賑やかに練習がはじまりました。

 この日の練習のメインはシューベルトの『死と乙女』。中止となった昨年の定期演奏会で予定していた曲ですが、練習できずじまいになっていました。改めて来年の演奏会を目指して、3年越しの挑戦です。

 まずは、楽譜どおりにゆっくりテンポで音の確認です。やってみると長い!

第一楽章だけの演奏ですが、それでもとても長く感じます。

けっして易しくないパッセージが次々と出てくるし、調もどんどん変わっていくし、で「息を抜くところがない」というのが第一印象です。

「そのうちに、短く感じるようになります。」

とマエストロはおっしゃいますが、この曲を弾きこなすには、技術力とともに‘精神力’を磨く必要がありそうです。

 二回目は、細かく確認しながら進めていきます。

まず、冒頭のマエストロのこだわりです。

小節頭の付点二部音符は実音より長く、そして四拍目の三連符は前へ進む。

いきなり、西谷流の揺らしについていかなければなりません。

そして、ここをカッコよく弾くポイントは、第一音を延ばし終えたら、すぐに弓元に返して四拍目の準備を万端にすることです。演奏の出来を左右する冒頭部分、意識して練習しましょう。

第2回練習前第一ヴァイオリンからの眺め

 次のポイント。この曲に特徴的な音型のひとつに付点音符の連続がありますが、特に複付点の部分を鋭く弾くように、という指導がありました。付点の後ろも複付点の後ろも同じ16分音符ですが、延ばした音の後は、より鋭く弾くと、これまたカッコよく決まります。

 さて、この曲では各パートのトップを講師の先生方が務めています。折々に先生方は弾き方の模範を見せてくださるのですが、マエストロはその都度、「どう弾けばいいですか?」「ここで気を付ける点は?」などと先生方に質問をたたみかけます。先生方は「えーと、まず弓をしっかり持って…」などと時間稼ぎをしながら、言葉を絞り出してきます。

三連符の上行形の弾き方を質問された伊東先生、

「三音目のアップにアクセントをつけないように。でも弓元に戻さないと次が弾けないから…」

西谷先生、

「アクセントをつけないで、弓元に戻すには、どう弾いたらいいですか?」

伊東先生、

「う~~ん」とうなりながら、繰り返し同じところを弾いては頭をひねっていますが、なかなか言葉が出てきません。

手塚先生が助け舟を出して

「少し弦から浮かせて、滑るような感じで弾くといいのでは。」と言うと、

「そうそう、それが言いたかった。」と伊東先生。

どうも、伊東先生は指されるのが苦手のようです。学校の先生に指されないように、机の陰に隠れるようにじっとしている伊東少年の姿が目に浮かびました。そんな伊東先生ですが、演奏中はめりはりの利いた弓使いや、椅子から立ち上がらんばかりのボディランゲージで雄弁に語る、石オケの『頼れるコンサートマスター』なのですよ。

もうひとつ、マエストロの質問コーナーで印象的なやり取りがありました。第一、第二ヴァイオリンがデュオでメロディーを奏でる第二主題の裏では、中低弦パートが同じ音の繰り返しで伴奏しているのですが、

「この単調な部分は、どんなことを考えながら弾いたらよいでしょう?」

というマエストロの問いに対して、ヴィオラの手塚先生は

「ここは、ヴァイオリンのメロディーを聴きながら弾きます。」

と答えました。おお、そうか、ここはヴァイオリンがしっかり弾くところね、とうなずいていたら、それに続くチェロの毛利先生の答えがふるっていました。

「ここはね、ヴァイオリンを監視する。」

えっ、監視ですか?!真顔の毛利先生の言葉に、ヴァイオリンパート一同は、完全に固まったのでした。

練習は始まったばかりで、まだ全然弾けていませんが、きちんと深堀りするところはする、石オケらしさが早くも出てきた感じです。次回は、さらに手強い『死と乙女』後半部分が待っていそうです。マエストロの深堀りについていけるように、ちゃんと予習していこうと心に誓った筆者でした。

by A.E.<Vn>

練習
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