6月10日。4thシーズンの練習会も今日と来週の2回を残すのみとなりました。ほぼ全員が揃ったところで…
フルメンバーのパノラマ写真を撮影してみました。ここまで大所帯に成長した石オケです。
さて、今日こそは、全曲通し!と団員も講師の先生方も燃えています。マエストロは「最近の趣味がダイエット」とのことで、ウォーキングに精を出している様子。心なしかスリムになったようです。先週の練習会は「体調不良」でリタイアした伊東先生も、今日は練習開始前から張り切っています。
では、プログラムに沿って、モーツァルトからスタートです。
モーツァルトらしい軽快さが、最初から表現できるようになってきました。マエストロのダメ出しもありません。
つづいてオクテット。練習を始めたばかりの頃に比べると、ずいぶん自信をもって楽しく弾けるようになりました。しかし、長丁場のこの曲、最初から飛ばし過ぎると息切れしてきてしまうことがわかりました。全体のペース配分を考えて、エネルギーをセーブするところはセーブしつつ、自分のパートが主役になるところはしっかり音を出す、メリハリの利いた演奏を目指したいものです。
全曲通しは(マエストロも言いたいことをぐっと押さえつつ)順調に進み、小休止を挟んで、後半はドヴォルザークの通しです。楽章ごとに変わっていく色合いの違いをいかに出せるかが課題です。美しいメロディーに酔って、ついついテンポがもたれてしまいがちな第二楽章ですが、ワルツを踊れるように、軽やかな演奏を忘れないようにしましょう。
さて、第三楽章の半ばに差しかかったところで、突然、バ~~~ン!!と大音響が。何事かと思ったら、毛利先生のチェロの弦が切れました。マエストロでも「チェロの弦が切れるのは初めて見ました」という珍しい出来事に一同びっくりしつつも、誰も演奏は止めません。本番でも起こり得る事態として冷静に受け止めている団員の心は、もうすっかり本番の舞台に飛んでいるということでしょうか?
…とは言いつつ、本番を一週間後に控えて、心の底では、不安や焦りを感じている団員にとって「チェロの弦が切れるって、何の前触れかしら……」とよからぬ想像をかきたてられる出来事ではありました。しかし、筆者の心に、ふと真逆の連想がひらめきました。これは瑞兆に違いありません!
みなさんは日本古来の神事「弦打ち」(つるうち)ってご存知でしょうか?弓矢の弓の弦を、手ではじき鳴らして音を出す儀式で、かの『源氏物語』にも描かれているものなのですが、その目的は、魔物を退散させることなのです。弓の弦ならぬ、楽器の弦ではありますが、きっと、毛利先生は、弦をはじき飛ばして、舞台の「魔物」を退散させてくださったのですよ!これで、本番は無事、成功間違いなしです!!
でもね「神だのみ」だけで、万事うまくいく訳ではありません。残りあと一週間。最後の最後まで、あがいて、あがき抜いて、来週は思い切り弾けましょう!!
by AE<Vn>