12月25日。Merry Christmas!
ですが、石オケはこの日も練習、今年最後の練習です。
練習室に入っていくと、美しい音色のドッペルコンチェルトが聴こえてきました。今日のメインメニューに備えて、伊東先生がソロパートの確認をしています。共演者が石オケでも、そしてただの練習であっても手を抜かない伊東先生です。
団員たちの前に、1stソロの伊東先生、2ndソロの安藤先生が立って、ドッペルコンチェルトの練習が始まりました。第一楽章を弾き終えたところで、マエストロから一言かかります。
「みなさん、ちゃんと弾きすぎです。この曲は疲れるのでもっと楽に弾いてください。」
確かに、団員のパートは、単純な音型が少しずつ形を変えながら延々と続き、休符を数える部分も多いので、譜面のわりに疲れるのは事実です。
「弓を短めに持って、スーッ、スーッと音が消えるように、気楽に集中して弾いてください。」
気楽に集中?
アマチュアにとっては、かなりハードルの高い要求です。集中すると、つい無意識に情感がこもってヴィブラートをかけてしまったりしがちですが、
「ヴィブラートは要りません。ソロのメロディーに乗っかるような感じで。」
なるほど。楽譜に集中しすぎていました。先生方の奏でる美しい音色に気分よく音を乗せてみると、確かにこの方がいい音楽に聞こえます。この感じね…と油断していたら、おっと、楽譜一段飛ばしてしまいました。「気楽に集中」なかなか一筋縄ではいきません。
ソロの先生たちは、だんだん乗ってきたようです。休憩後は次の曲に入る予定でしたが「せっかくだから本番のテンポでやってみよう」と言い出し、休憩後にもう一度、第三楽章をアレグロでやることになりました。マエストロがあおると、伊東先生もわざと音を溜めたりしてノリノリになり、それを見たマエストロが「いや~、いいですねー」とすっかり喜んでますます乗ってきて、気付いたら指揮を放棄して、後方から写真撮影に及んでいました。どうもこのお二人、どちらかがノると、もう一人も余計ノる、という相乗作用があるようです。さすがは兄弟弟子ですね。
さて、ノリノリのドッペルの後は、久しぶりの芥川『トリプティーク』です。第一楽章は、もう何度も練習してきたのでほぼほぼ本番仕様に仕上がっていますが、第二・第三楽章は、練習不足気味です。今日は、第二楽章を丁寧に進めていただいたので、他所のパートとの関係もだいぶ理解できるようになりました。変拍子の第三楽章は、多くの団員が苦戦している曲の一つで、今日も1回目の演奏は途中脱落者?が相次ぎ、ゆっくりテンポの復習からやり直しとなりました。リベンジの2回目は、まあまあの合格点。それを見たマエストロの一言。
「石オケは2回目はちゃんとできるんですよね。」
はい、そうなんです。ちゃんとできるんです。問題は、ひと晩寝ると1回目に戻ってしまうことなんですよね。
練習を重ねれば重ねるほど、課題もどんどん積み重なってお腹いっぱいのまま2021年の練習はお開きとなりました。本番まであと4か月、一つずつ課題をクリアして進んでいきましょう。
最後になりましたが、ご報告をひとつ。12月24日に、東京オペラシティのオフィスロビーで、石オケ講師と団員が参加するカルテットの小さな演奏会がありました。クリスマス一色の楽しい演奏会で、大勢のギャラリーが集まりました。
それでは、皆様、よいお年を!
by A.E.<Vn>