魔法の杖~2月21日の練習会~

2月21日。前回の練習が、雪の予報により自由参加の自主練習となったため、今日は約1か月ぶりの全体練習です。

開始のご挨拶の時から、マエストロは得意げな顔をして何かを見せびらかそうとしています。

「今年はこの指揮棒を使おうと思います。どうです、ハリーポッターみたいでカッコいいでしょ!」

とご満悦。お、確かにちょっと凝ってますね。指揮棒というと普通はお箸みたいなただの棒を想像しますが、この指揮棒は持ち手のところにおしゃれな装飾がこらされています。

よく見ると、装飾の横の部分に、謎のメッセージみたいな横文字が書いてあって、確かに魔法の杖っぽいです。この指揮棒をサッとひと振りして

『オンテイーノ!!』 とか

『ヴィブラティアス!!』 とか

呪文を唱えると、たちまちにして音程がピタっと揃ったり、美しいヴィブラートがかかったりするのでしょうか。

おお、それは素晴らしい!!

これはきっと魔法界最強の杖と言われる『ニワトコの杖』に違いない、と思って写真を撮るついでに手に取ってみたら・・

「え、うそ、プラスチック??」

どうやら「オンテイーノ」も「ヴィブラティアス」も、魔法がかかるかどうかは結局、われわれの努力しだいということのようですね。

さて、本日の前半の練習は、マエストロがオーケストラ部分を弦楽版に編曲したサラサーテの『カルメン幻想曲』。今回の演奏会も石オケの講師の先生がソリストを務めます。今年のソリストは、現役音大生で将来を嘱望されている新鋭ヴァイオリニスト、加賀竜太郎先生です。なんだか往年の時代劇スターみたいなお名前ですね。でも、筆者を含めた古参の団員にとっては「加賀先生」ではなんだがしっくりこず、ついつい「りゅうちゃん」と呼んでしまいます。

りゅうちゃんは、小学生の頃、マエストロのヴァイオリン教室の生徒で、どんな難曲でもバリバリ弾きこなししまう、もじゃもじゃ頭のちょっとこまっしゃくれた天才少年でした。その後しばらくマエストロの元を離れていましたが、数年前に、もじゃもじゃ頭はそのまんまに、立派な青年となってまた私たちの前に現れました。そして2年前からは石オケの講師に就任し「先生」になりました。そんなりゅうちゃん、いえ加賀先生とソリストとして共演できることは、ほんとうに感無量です。

りゅう先生(やっぱり「加賀先生」は硬すぎるのでブログではこの呼び方にします)は、子どもの頃から、どんなに高速なパッセージでも正確な音程で、明瞭な音を出すヴァイオリニストでしたが、大人になって、さらに磨きがかかり、力強さも加わったように感じます。

『カルメン幻想曲』には高速の難しいパッセージが随所に出てくるのですが、りゅう先生は何度同じパッセージを弾いても、音程の正確さはもちろん、パワーも全く落ちません。若さあふれるソロに引っ張られて、あたふたしながらもとっても楽しい練習の時間を過ごすことができました。本番が今から楽しみです!

その、りゅう先生から耳よりなインフォメーションがありました。

3月9日(月曜日)に、りゅう先生が在籍する東邦音楽大学弦楽合奏団の定期演奏会が、練馬文化センター小ホールにて行われるそうです。

「曲目はドヴォルザーク『弦楽セレナーデ ホ長調 作品22』とヴィヴァルディの『四季』全曲で、弦セレのコンサートマスターは僕がやります。」

え、なんですって?!練馬文化センター小ホール?ドヴォルザークの弦セレ?

それ、石オケの定期演奏会の会場で、石オケのプログラムの曲ではないですか!

しかも、コンマスがりゅう先生?!!

これは、みなさん、聴きに行くしかありませんね。

そして今日の練習後半の曲目は、そのドヴォルザークの弦セレでした。

今シーズンのマエストロのこだわりは、強弱、そしてプロに負けない音質です。マエストロの理想は高く、なかなか満足の言葉はいただけませんが、東邦音大に負けない演奏目指してがんばってまいりましょう。

<Vn A.E.>