1月30日、今年に入って2回目の練習会です。
今日は、弦セレシリーズに戻って、ドボルザークの第一楽章と、チャイコフスキーの第二、三、四楽章を復習しました。
マエストロの背中がいつもと違っているような??
そうなんです!
今日は珍しいゲストがいらっしゃいました。マエストロの指揮の弟子第一号のKくんという青年です。
Kくんは、哲学を専攻する大学院生ですが、「音楽と哲学」という研究テーマを深めるために、マエストロに弟子入りしてきたそうです。そして今日、初めて生のオーケストラを前にタクトを振る体験をするために、大緊張の面持ちでやってこられました。
今日の練習の冒頭に、Kくんの指揮で、ドボルザークの弦セレをワンフレーズだけ合わせることになりました。
「彼が振るとお~りに弾けばいいんですね!」
コラコラ、誰ですか。そんな意地悪言ってるのは。
そんな冗談でちょっと気持ちがほぐれたところで、演奏開始。
「あれ?
あ、ここだけ二拍子だったんだ‥」と頭を掻き掻き奮闘するKくん。
マエストロも「ちゃんと教えたでしょ!」と言いながらも、暖かい眼差しで見守ります。
それでも、何回か繰り返すうちに‥
ご覧ください、この堂々とした指揮っぷり!
初めのうちは下向き加減だったのに、しっかりと顔を上げて、ちゃんと全体を見ていますね。とても初めてとは思えません。
Kくんは、その後も熱心に楽譜に書き込みをしながら練習会の様子を見学し、休憩時間まで、講師の先生方の横に張り付いて、質問攻めにしていました。
恒例の「今日の一言」。本日は、Kくんの指揮を講評した伊東先生にお願いしましょう。
「指揮の形はよく勉強しているけど、一度、形のことは忘れて、どんな方法でもいいから君が表現したい音楽をオーケストラに向かって気持ちで伝えることをしてみるといい」
そう。指揮者はタクトを通じて「気持ち」を伝えてきているんですね。だから私たちオケもその「気持ち」をキャッチすることが一番大切なことなんですね。
私たちオケメンバーの心にも響く一言でした。
Kくん、今日は私たちにとっても貴重な体験をありがとうございました。これからも私たちと一緒に成長していきましょう。いつか、本物の舞台の上で、ご一緒できる日を楽しみにしています。