4月15日の練習会~新技・顔芸~

  • 2017年4月16日
  • 2017年4月18日
  • 練習
  • 26view

4月15日。今年は例年になく長く楽しめたサクラの季節も終わりを告げ、春本番。石神井池の周りの緑も色濃くなってきました。

 

前回のドヴォルザークに続いて、この日はモーツァルト・ディヴェルティメントとメンデルスゾーン・オクテットの通し練習が予定されています。

さあ、気合を入れて今日も練習を始めましょう!

 

 

前半はモーツァルトから。通しの演奏は久しぶりです。マエストロが口火を切ります。

「先日、私のところへ…」

あっ、もうわかりました。神が降りてきたのですね。もっと速く!という…

4年の間に育まれた固い絆のおかげ(?)で、団員一同、マエストロの心がすっかり読めるようになってきました。やっぱりね、予想どおり。

 

さっそく、高速・第一楽章の演奏開始です。一同、練習の成果で指はよく回っていますが、モーツァルトをモーツアルトらしく弾くことは、実はとても深く、とても果てしない道なのです。テンポが速くなると、どうしても楽譜を追うことに追われて、フレーズの切れ目が乱暴になったり、軽やかさを失ってしまったり、といったいつもの悪いクセが出てしまいがちです。

フレーズの頭のヴィブラートを必ず利かせて、

同じ音が2度続くときは、2つ目の音を丁寧にかつ上品にに抜くような感じで

そして、モーツァルトらしい軽やかさと楽しさを忘れずに…

聴く人の耳に心地よく駆け抜けていくモーツァルトに仕上げるために演奏者が要求されることは、こんなにたくさんあるのですね。

さらに、第二ヴァイオリン以下の伴奏パートには、思わぬところに散りばめられた聴かせどころがそれぞれにあって、その部分を大事に弾くことで演奏全体が活きてくることも学びました。

マエストロ独特の指導法のひとつに、弾く前に「口で歌わせる」という形があります。なるほど、人は、歌う時には、特に意識しなくても自然に気持ちを込めたり、強弱をつけたりすることができるものです。歌ってから弾いてみると、ちゃんと歌ったときのような音が出るから不思議です。

第一、第二楽章と進み、第三楽章。ここでも、マエストロのこだわりが見えました。中間部、短調に転調した部分。5小節目の減三和音のミステリアスな感じの表現にこだわったマエストロ。

「いいですか。ここは顔で表現しますから、私の顔をよく見ててください」

マエストロの指揮ぶりは、台の上で飛び上がったり、はたまた急に指揮台に隠れるくらい沈み込んでみたり、と日頃からかなり忙しいのですが、これに加えて、ついに 顔芸 の登場です!!

マエストロの新技・顔芸。本番の舞台でも見られますでしょうか?客席の方々にお見せできないのがとても残念ですが、どんな顔か心の中で想像してみてください。

 

後半はオクテット全楽章通し…の予定でしたが、モーツァルトで言いたいことがたくさんあり過ぎて時間を使ってしまったせいで、残念ながら第二楽章の途中まででタイムオーバー。全楽章通しは次回以降に持ち越しとなりました。

「せっかく第四楽章を練習してきたのに…」

練習熱心な団員からは不満の声がもれましたが、大丈夫。練習は裏切りませんから。次回、存分に成果を発揮してください。

 

マエストロは、来週17日から約10日間にわたって、アメリカ・イリノイ州への旅に出られます。昨年、石オケが共演させていただいたイリノイ大学のルドルフ・ハケン先生のお招きで、先方の大学で、講演・リサイタルとマスタークラスをされるとのことです。ハケン先生とは、石オケの今後とも大いにかかわってきそうな打ち合わせもしてくる予定とのことです。

「よいお土産話を持って帰れるようにがんばってきます!」

との力強いご挨拶に、団員の反応は…

「お土産話よりお土産は……」???

 

 

それでは西谷先生、いってらっしゃい。お気をつけて。

よいお土産話(&お土産?)をお待ちしています。

来年のことはともかく、まずは今年の定演です。この二週間でグンと成長して、アメリカ帰りのマエストロをびっくりさせてあげちゃいましょう!!

 

 

by  A.E.<Vn>