9月2日。いよいよ石オケ5thシーズンの練習初日がやってまいりました。
今シーズンからネット配信となったパート譜の製本もバッチリ済ませ、勇んで練習会場に足を踏みいれた途端、真っ先に目を惹いたのが…
中低弦チームの充実ぶりです。右の写真の中に全員が入りきっていません。この日は欠席だった4人の団員に毛利先生を加えて、堂々の布陣に成長しました!
練習初日は、バッハのブランデンブルグ協奏曲から。各パートとも、よく予習してきているようです。マエストロの口も、初日からとても滑らかです。マエストロならではの独特な表現で、オケの音を、自身の追求する音に変えていきます。印象的だったクニト語録を挙げてみると、
バロックは8ビート
ツンツンビブラートで擬似的な響きを
バッハの楽譜は心電図
まず、一番目。「バロックは8ビート」とは、バロック音楽は、拍子記号の如何にかかわらず常に8分音符を感じながら演奏すべし、ということ。8ビートと言えばロックですが
「バロックもロックだぜい、イェ~イ!」
ということのようです。
続いて二番目「ツンツンビブラート」はマエストロの造語で、弓を「ツンツン」と手首を使って軽く動かしながら、一音ずつビブラートをかけていく奏法。ビブラートをかける目的は、音がブツブツと切れないように「擬似的に響きを作ること」なのだそうです。一般的に「バロック奏法はビブラートをかけない」と言われていますが、クニト流は「ツンツンビブラート」が基本です!
三番目の「バッハの楽譜は心電図」は、少々説明が必要ですね。バッハは楽譜の見た目にもこだわりがあって、自筆の楽譜は音符の上行、下行が絵画的にも美しく書かれているそうです。音符の流れは、そのまま気持ちの動きを表しているので、音符が上行する時は気分を高揚させて、逆に音符が下行する時は落ち着いた気分で弾いていけば、自然にバッハの求める音楽に近づける、という寸法です。バッハを演奏するときは「楽譜をひとつの絵だと思って、音符曲線に沿って心を動かしましょう」 だから…
「バッハの楽譜は心電図」
なかなかインパクトのある説明でした。
そうそう、もう一点「大きく飛んだ後の音には、アクセントをつける」という注意点もありました。
初日から、かなり細かいマエストロの熱血指導の甲斐あって、今日一日で、ずいぶん音が活きてきたようです。充実してきた中低弦チームのおかげで、パートの掛け合いがポイントのこの曲が、とてもよいバランスで演奏できそうな予感がしてきました。
『第五石オケ丸』 船出は順風満帆です!!!
しかし、本船の行く手には、『バルトーク海』の荒波がひかえています。今日のブランデンブルクで手応えを感じた船長は、できるだけ早く荒波に飛び込んでいきたそうな気配です。
という訳で…
船員諸君!気を引き締めて、ぬかりなく!!
by A.E.<Vn>