1月20日、5thシーズン11回目の練習会です。毎年、この時期になると同じことを言ってますが…今シーズンの練習も折り返し点に差しかかりました。
う~ん、まだ全然できてないのにぃ~
と、団員たちの悲鳴が聞こえてきそうですが、大丈夫です。ここからの追い込みが真骨頂の石オケです。
さて、今日から、今シーズンのゲストソリスト、ルドルフ・ハケン先生との共演曲、モーツァルトのクラリネット協奏曲の練習を始めます。『クラリネット協奏曲』ですが、ソロを執るのは、ハケン先生のご存知「5弦ヴィオラ」!弦楽版のクラリネット協奏曲です。
左の写真が、この曲のフォーメーションです。昨シーズンの『オクテット』を思い起こさせるような配置ですが、前列8人のうち6人は、実はパートトップではありません。この6人が担当するのは、何と管楽器です!
とは言っても、石オケは弦楽オーケストラ。管楽器の使い手が何人もいるはずがありません。6人は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで、それぞれ、フルート、ホルン、ファゴットのパートを演奏します。ハケン先生のソロも含めて、完全弦楽版による『クラリネット協奏曲』を演奏しようという趣向です。昨シーズンは、本来8人で演奏する『オクテット』を全団員でやってしまうという実験的な挑戦を果敢に行った石オケ、今シーズンもまた、新たな試みに挑戦します。
この選曲は、ハケン先生によるもののようです。一昨年、ハケン先生と初共演した時は、先生ご自身の作曲によるアメリカンテースト満載の現代曲でしたが、今回は、一転、超オーソドックスな古典派の曲が選ばれました。しかし、一昨年、あんなに自由闊達で楽しい演奏を聴かせてくださったハケン先生のことですから、もしかしたら、とても斬新なモーツァルトを要求してくるかもしれません。本番直前、ハケン先生が来日されてのお楽しみです。
笑い話をひとつ。この曲の楽譜は、オケが主体の全体奏の部分には Tutti、ソロが主体の部分には Solo と書かれています。この曲に関しては、それはオケに向けてTuttiのところは主体的に、Soloのところは伴奏として弾きなさい、というガイドとして書かれている訳なのですが、実は、バルトークのディヴェルティメントの方にも、同様に Tutti と Solo の表示があって、こちらの方は、オケの演奏部分はTuttiのみで、Soloはパートのトップだけが演奏することになっているので、かなりの数の団員が、モーツァルトの方も同じだと誤解して、Tuttiの部分しか予習してこなかった…というオチです。そんな訳で、今日のモーツァルトの初演奏では、Soloの部分だけ必死の初見で演奏する団員、さらにはSoloの部分で演奏をやめて「何でみんな弾いてるんだろう」とキョロキョロする団員などが、実はあちこちにいたのです。
しかし、初演奏ながら、かなり長く、技術的にも決してやさしいとは言えないこの曲を、途中で止まることも緊張感が途切れることもなく、けっこうモーツァルトらしく弾き切ることができました。石オケは、モーツァルトの世界に関しては、かなり自分たちのものにできているんじゃないかな、とちょっぴり自信を持った初練習でした。
さて、今日はこの後も、席替えが忙しい日でした。
モーツァルトの後は、バルトークのフォーメーションにして、ディヴェルティメント第1楽章の1ページだけを5~6回の反復練習。
その次、今度はバッハのフォーメーションに分かれて、ブランデンブルクの第3楽章を、これまた3~4回の反復練習。
コントラバスやチェロの団員からは「まだやるの~」と悲鳴が上がりそうなスパルタ反復練習が続きました。
えっ、何のための一部分だけ反復練習かって?
はい、これには深い訳があるのですが……今は、まだ言えません…
では、最後に、モーツァルトのフォーメーションの全員写真を。
by A.E.<Vn>