またまた小雨まじりの石神井公園です。楽器・楽譜・譜面台と荷物の多いオケの練習日は、なるべく傘を持たずに出かけたいのですが、今シーズンは、お天気との相性がよくないようです。
そんな中でも、団員たちは続々と集まってきました。さあ、雨ニモ負ケズ、今日もがんばりましょう。
このところ、なかなかハードな譜読みが続いてきましたが、今日はちょっと軽めのメニューでホッと一息です。前半がモーツァルトの『ディベルティメント』の復習、後半がバッハ『2つのヴァイオリンのためのコンチェルト』(通称『ドッペルコンチェルト』)の譜読み、と誰もが耳に馴染みのある2曲を練習します。
モーツアルトは、二度目の練習ですが、前回よりグッと生き生きした音になりました。マエストロこだわりの強弱も、みんな忘れずちゃんと利かせています。マエストロも満足そうです。今日は毛利先生がお休みで、少し遠慮気味だったチェロの団員たちに向かって
「もっと、前へ前へ進む感じで、ヴァイオリンをあおってください。」
とノリノリです。前回の練習ではやらなかった第二楽章についても、今日はテンポ感やボウイングを確認しながら丁寧に進めることができました。
休憩後は、譜読みの最後の曲となったバッハの『ドッペルコンチェルト』です。ヴァイオリニストなら二重奏曲として誰もが一度は弾いたことのあるこの曲ですが、今回、私たち団員が担当するのは、伴奏パートの方なのです。本番では、第一ヴァイオリンのソロを伊東先生、第二ヴァイオリンのソロを安藤先生が担当する予定です。今日は、ソロなしで、伴奏部分だけを練習するという話だったのですが、マエストロの強引な要請により、両先生にぶっつけ本番でソロを弾いていただけることになりました。
さて、この『ドッペル』でコンサートマスターにデビューする方がいらっしゃいます。ヴィオラ講師の手塚貴子先生です。
コンサートマスターですから、もちろん第一ヴァイオリンのトップの席に座り、第一ヴァイオリンのパートを演奏します。でも、演奏する楽器は、ヴィオラなのです!
毎度、毎度「本邦初〇〇」を上演するのが得意な石オケですが、今回は「本邦初・ヴィオラのコンサートマスター」が誕生します。
それでは、早速、チューニングをしましょう。と、そこで誰かが心配の声を上げます。
「ヴィオラでチューニングできるんですか?」
すると、手塚先生、声の方をキリリと向いて
「大丈夫ですよ。ヴィオラにもA線はありますから!」
おっしゃるとおりです。
そんな訳で、写真のようなコンサートマスターと後ろの組で、微妙に角度が違っているチューニングの図ができあがりました。
さて、演奏の方はと言うと…
伴奏パートの譜面は、それほど難しくはないのですが、聴きなれたソロのメロディーとは微妙に違っていて、しかも休符が多いので、楽譜とにらめっこしていないとどこを弾いているのか皆目わからなくなる、という代物です。さらに楽譜に集中していると、だんだん音が大きくなっていくのも常なので、せっかくの先生方のソロより伴奏の方が、数倍音が大きくなって、よくわからない『ドッペル』になってしまいました。ここから、どのように美しい音楽に仕上げていけるか、手塚コンサートマスターの手腕の見せ所ですね。よろしくお願いします。
第8シーズンの予定曲目も、この日ですべての譜読みが終了しました。
次回からは、いよいよ、音楽性の追求の方に入っていきます。演奏会まで、あと半年と少し、ここからギアを上げていきましょう。
by A.E.<Vn>