ハイドン、初合わせ~12月14日の練習会~

早くも12月、年内の練習会もあと2回を残すのみとなりました。

今日は仮装パーティーだったクニトオケの流れから、講師の先生方は、クリスマスの被り物を身に着けて何だか楽しそうです。

さて、今日の練習のメインイベントは、ハイドンのチェロコンチェルト、ソリストとの初合わせです。

「さあ、皆さん、ご紹介します。ソリストの大木翔太先生です!」

パチパチパチ…の拍手ににっこり応えた大木先生、やおら立ち上がったかと思ったら、コンミスと次席のお二人にがっちりと握手を求めました。口数少なくトークはイマイチの大木先生ですが、仕草や表情でお茶目な一面をアピールするのは得意なようです。楽しい初合わせになりそうです!

「それでは、始めますよ。前回の練習の成果を大木先生に聴いていただきましょう。」

はい、みなさん覚えていますね。顔芸ですよ。

それでは行きましょう、口角上げて♪シッドレッミファッ!

演奏は、なかなかいい感じで進みます。石オケはマエストロのご尽力もあって、これまで多様なソリストの方々と共演させていただく機会に恵まれました。そのおかげか、共演時のオーケストラの心得が身についてきたようで、ソロが始まったら音量を落とすということが、言われなくてもできるようになっていました。前回の練習で指導のあった終止形の納め方も、きちんと意識されていたように思いました。

第一楽章の終盤、ソリストの見せ場であるカデンツァにさしかかりました。

おお、いよいよ大木先生のあのゾクゾクする色気のある音とせつない顔芸の時間だ!!

とワクワクして待っていたら、カデンツァはほんの一くさりで終わってしまいました。

「先々のお楽しみ」

ということだそうです。あら残念…

休憩時間をはさんで、後半は少し細かくテクニックの指導等も交えて進めます。後半大活躍だったのは、仕事の関係で遅れてこられた伊東先生でした。

伴奏が主となるオーケストラパートは、同じ音型の連続が多いのですが、だんだんとリズムが乱れてきがちです。これを正確に弾き続けるコツは

「休符をきちんと数えることです。こういう風に弾いてください。」

とマエストロから模範演奏を求められた伊東先生。休符のところで、大袈裟に鼻息を立てて、同時に顔の表情も作っています。

伊東先生曰く

「ここは顔芸が大事なんだよ」

とのこと。石オケの先生方の間では、どうやらこのごろ顔芸が大流行のようです。

伊東先生の顔芸は、ふだんは奥まっているちっちゃな目をパッと見開くスタイルで、マエストロに大うけでした。

「ちゃんと後ろにも見せてあげてください。」とヴァイオリンパートに向けて披露させたと思ったら今度は

「ほら、チェロの方も待ってますよ。」

と何度もやらせて面白がるマエストロでした。

この曲は、かなり長い上に、オーケストラパートは♪トントン、ツンツンと連打音の連続で、家で練習していても正直言って、あまり楽しくないのですが、こうしてソリストも交えて演奏してみると、カラっと明るくて楽しい曲だな、と思えてきました。

「伴奏パートもソロの表情に合わせて、上げ下げをつけるつもりで」

マエストロのその言葉に啓発されて、ソロの音に耳を傾けることを意識したら、灰色一色だった♪トントン、ツンツンが、ワンフレーズごとに違ういろんな色に見えてきてとっても楽しくなってきました。

次回の練習会は12月28日。年の瀬ギリギリまで、石オケの練習は続きます。

 by A.E.<Vn>