非常事態出来~5月10日の練習会~

  • 2025年5月12日
  • 2025年5月12日
  • 練習
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桜の季節はあっという間に過ぎ去ってゆき、石神井公園は一面の新緑に包まれすっかり初夏の装いとなりました。

いやいや、そんな季節の移ろいをのんびり感じている場合ではありません。

第11回定期演奏会まで、あと1週間になってしまいました。

実は、石オケにとって、今シーズン最大のピンチとなる非常事態が発生したのです。4月26日に予定されていた練習会、最終的な課題を洗い出してゴールデンウィーク中の練習のポイントを明確にする一番大事なはずの練習会が、よんどころない事情で中止となってしまったのです。

当日、石オケの練習に先立つクニトオケの練習中に、突然練習室内に金属が焦げるような異臭が発生。奥の別室で自主練に励んでいた筆者たちの元にも突然の退去命令が来て、練習会はそのまま解散となってしまいました。その頃、会場に向かっている途中だった団員たちは、突然のLINEのメッセージで練習中止を告げられ茫然自失に陥ったのでありました。

幸い、原因の究明がなされ現場は復旧し、今日と来週の練習会は開催できることになりましたが、貴重な一日を失い、あとは通し練習をするのみとなってしまいました。

でも、起きてしまったことを嘆いていても仕方ありません。

さあ、今日はプログラムに従って、できてもできなくても、できなくてもできなくても、ノンストップで通します!

モーツァルトの『ディベルティメント』、ハイドンの『チェロ協奏曲』と順調に進んでいきます。今日はハイドンのソリスト大木先生が、オリジナルのカデンツァを聴かせてくださいました。原曲のカデンツァより、もっと超絶技巧を利かせていたり、古典音楽にはないようなロマンチックなメロディーを加えたりした素晴らしいカデンツァでした。演奏会当日はどんなカデンツァになるかわかりませんが楽しみにしていてください。一つだけ残念なのは、今日から演奏会仕様で行うので、団員からは大木先生の、あの恍惚の表情が見れないことです。でも背中からも十分気持ちがあふれています。背中に注目して先生の表情を想像しましょう。

休憩もそこそこに次はウィルソンの組曲に入ります。おっと、第1曲目からみなさん気合が入っています。この前までと打って変わって、自信を持って演奏できているように感じます。前々回の練習で、マエストロから細かく指導された点もみんなしっかり自分のものにしてきたようです。第5曲目のロマンスだけちょっと危ないところがありましたが、完成形にグッと近づきました。

と、ここまでは非常事態に負けず、順調に通し練習が進んできたのですが、最後に落とし穴が待っておりました。アンコール曲・バルトークの『ディベルティメント』。この曲の練習ができなかったことが、先々週の練習中止の最大の痛手でした。ソロの部分を先生方が担当するため、この曲は先生方が揃っている時にしか練習することができません。この曲を集中練習するために、せっかく先生方に全員集合していただいたのに練習できず、ほとんどぶっつけ本番状態で演奏会当日ということになりそうです。「えい、ままよ!」とやってみましたが、やっぱりグダグダ。あと1週間で見違えるように上達する、とはとても思えず、不安しかありません。

アンコール曲とは言え、演奏会の締めの一曲です。これで締まるかなあ?

同じ『ディベルティメント』だから、モーツァルトの方の第二楽章あたりでお茶を濁しませんか?

と提案したいところですが、あんなに張り切ってコンマスを務めてくださっている伊東先生の最大の見せ場を奪うことになってしまうので、そうもいきません。ここは、当たって砕けるしかありませんね。

「みなさん、よく弾けています。去年より完成度が高いです。90点くらいいってますよ。」

マエストロからは励まし半分でお褒めの言葉をいただきましたが、「バルトークは10点」と筆者は心の中でつぶやいたのでした。

by A.E.<Vn>

以下ダイジェスト動画(クニトオケ含む!)