6月19日。長くて、暑くて、そして熱~い一日が終わりました。
そして何より、私たちを10か月間、叱咤激励し根気よく導いてくださった西谷音楽監督はじめ講師の諸先生方と、夢の共演を実現させてくださったルドルフ・ハケン先生に厚く御礼申し上げます。
朝9時半に集合。先撮りの写真撮影のために、本番どおりの正装で最後の練習です。本番直前の指慣らしかと思いきや、最後の最後までマエストロの指導はなかなか手厳しく、こだわりの音が出るまで何度もダメだしが続きます。舞台上はスポットライトの直撃を浴びてすでに灼熱地獄。女性陣は着慣れないロングスカートに、男性陣は上着とネクタイに身体をしばられて、すでに汗だく状態となりました。
右の写真は、朝の練習後も、さらに個人練習に励む団員たちの図。最終日に至って与えられてしまった課題を克服すべく、最後の悪あがきが続きます。こうして何度も首をひねっているうちに、あっという間にタイムアップ。本番の時間となりました。
楽屋の陰からそっと客席を覗いてみると、びっくりするくらい大勢のお客様が入っています。
いよいよ本番開始。一曲目のドヴォルザークの弦楽セレナード。はじめは少し緊張気味。課題の第一音「ソの#」のできこそ60点くらいでしたが、いつも以上に情熱的なマエストロの指揮に引き込まれていくうちに、徐々にハーモニーが揃っていきました。演奏しながら、会場のお客様が少しずつ音楽の世界に浸り始めた気配を感じました。
うん、出だしは上々。緊張感をほぐしてリラックスして、ハケン先生をお迎えしましょう。
汗と冷や汗でぐっしょりとなったハケン協奏曲の後は、アンコールにお応えして、ハケン先生とマエストロ西谷先生によるモーツァルトのデュオで会場の空気をクールダウン。団員一同、心の底まで癒してもらえるようなお二人の音の掛け合いを舞台上で味わうという贅沢な時間をいただくことができました。あれほどの熱演をしたハケン先生、指揮者からヴァイオリニストに突如変身した西谷先生、両先生ともに、額に汗を光らせながら、あんなに涼やかな音を奏でられるなんて、やっぱりプロはスゴいと感じました。
休憩時間を挟んで、さあ、いよいよ本丸・チャイコフスキーの弦楽セレナードの演奏です。とにかく一番たくさん練習を重ねてきました。それぞれの団員が、自分でできる最大限の努力をしてきた曲だと思います。そりゃね、ところどころ落ちてしまったり、ちょこちょこっとごまかしたりもしました。危なっかしかったところもいくつかありました。マエストロが最後までこだわった「ドレミファソ」も、あんまりきれいに入らなかったかもしれません。でも、筆者は、この日の弦セレが今までの中で、最高の出来栄えだったと信じます。何より、団員全員の息がぴったりでした。そしてマエストロの要求に十分に応えていたように思います。最後の音を弾き終えて、マエストロとコンマスの伊東先生が握手した時に、伊東先生の弓の毛が一筋切れてこぼれているのを見たときに、そう確信しました。チャイコフスキーの弦セレは、秋にも再演の予定があります。今日の感激を胸に、今日以上のパフォーマンスを発揮できるよう、がんばりましょう。
終演後は、清瀬の居酒屋で、ハケン先生も交えて、大打ち上げ会。ほとんどの団員が参加して、全員が座りきれないほどの大盛況となりました。団員の発案で、ハケン先生に全員の寄せ書きを贈り、ハケン先生も満面の笑みで喜んでくださいました。団員たちは、みんな安堵感と解放感、そして満足感いっぱいの笑顔で、夜遅くまで語らい続けていました。
明日から石オケは2か月間の夏休みに入ります。4thシーズンは9/10スタートです。それまで、大いに休み英気を養い、でも少しはそれぞれのスキルアップを図って、新しいシーズンに、また笑顔で再会しましょう!!