明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
年が改まりましたが、石オケ第6シーズンは、まだ道半ば。残り半年間の挑戦が続きます。新年初練習の1月12日からは、これまでまだ手をつけていなかった二つの新曲を始めます。ゲストソリストとして今年もお迎えするルドルフ・ハケン先生作曲の『五弦ヴィオラのための協奏曲』とアンコール曲・バーバー作曲の『アダージオ』です。
前半はハケン協奏曲から。第3シーズンに続いての再演です。内容に変更はありませんが、今年の楽譜の表紙には<石神井Int’lオーケストラの為のスペシャル・アレンジメント>なんて書いてあります。世界でこの曲の弦楽版を二度も演奏するのは、おそらく石オケだけのはずですので、このサブタイトルもあながちウソではありませんね。
「再演」と書きましたが、冒頭マエストロが
「この曲をやったことがない人、手をあげてください。」
と問いかけると、なんと7〜8割の団員の手があがりました。特に中低弦組は、ほとんどが未体験とわかりました。3年でこんなにもメンバーが変動していることに感慨を新たにすると同時に、筆者を始め初演体験組には「わあ、責任重大!」とプレッシャーがかかりました。
「さあ、とりあえず、やってみましょうか。」
と振り始めたマエストロ。読者の皆様ご想像のとおり、演奏は最初から本番テンポで始まりました。
目を白黒させる初演組、あせる体験組…
それでも喰らいついていって、何とか形にしてしまうのが石オケなのですが…
でもやっぱり、以前苦戦したところは弾けなくなっているし、前回理解しきれなかったところは今日もよくわからないまま。初心にかえってやり直し、といったところです。
再演にあたって筆者が一番の課題と感じているのが
「アメリカンフィーリングの楽しさを見た目で聴かせること」
です。この曲の演奏の楽しさをソリストのハケン先生と一体になって表情や身体で表現すること、楽譜を追うのに精一杯だった初演時とはひと味違った石オケの姿を見せたいものです。
しかし、演奏が進むうちに
「はいはい、皆さん、眉間にしわが寄ってますよ。」
マエストロから鋭い指摘が飛びました。
おっと、いけないっ!
マエストロは、楽しそうにノリノリで指揮しています。その姿を見ているうちに、だんだんと記憶がよみがえってきました。
そうそう、ここはこんな感じだった…
まずは、このマエストロの表情を見ながら演奏することから始めてみようと思いました。
カントリー、ブルース、ジャズ、アメリカ音楽の粋を散りばめたハケンの協奏曲ですが、毛利先生がジャズフィーリングに溢れた模範演奏をしてくださいました。バロックからジャズまで、どんなジャンルを演奏しても、常にカッコいい毛利先生です!!
今日は、眉間にしわだらけのハケン協奏曲でしたが、練習は今日始まったばかり。まだ先は長いです。楽しみながら成長していきましょう。
休憩をはさんで、後半は、もうひとつの新曲、バーバーの『アダージオ』の時間です。今回、この曲をアンコール曲に選んだ理由は
「昨年の定期演奏会のアンケートで、一番リクエストが多かったから」
だそうです。そんな訳で、マエストロはアンコール曲にもかかわらず、ご自身のブログで前宣伝してプッシュしているのですが、弾く方にとっても、別の意味でとてもアンコール曲とは思えないくらいの難曲です。筆者が苦手にしている2分音符で数える白い音符とタイだらけの曲で、途中で突然2分の5拍子の小節や見慣れない音符が出てきて翻弄されるのです。
「全音符の両脇に線が入っているのって何?」(→「倍全音符」といって全音符の二倍の長さの意味です)
「付点のついた全音符ってどういうこと?」(→全音符の1.5倍なので、二分音符6拍分が正解です)
さらに、自分のパートが休みになると、まったく数えられなくなり、筆者はチェロパートの毛利先生の音色に聞き惚れているうちに、完全に出そこないました。
その上、音色に対する注文も高度です。p(ピアノ)の部分は、指板寄りに弓を少し浮かせて、遥か彼方から聞こえるようなくぐもった音色で、mf(メゾフォルテ)やf(フォルテ)の部分は、「現実的な」音色で、その対比の面白さでこの曲が生きてくる…
う〜む、深い。たった2ページの曲ですが、ものすごく忍耐を要する曲です……恐るべし、今回のアンコール…
カントリーミュージックからストレスフルな祈りの音楽へ、極端に曲調の異なる2曲の練習で、年頭からとても内容の濃い練習会でした。第6シーズンの演奏曲が出揃い、いよいよ練習も本格化していきます。2019年も、みなさまよろしくお願いいたします。
by A.E.<Vn>