1月26日の練習会~第3回分奏練習~

1月26日。この冬一番の冷え込みとなったこの日、ふるさと文化館には口々に「寒いね~、寒いね~」と言いながら団員たちが集まってきました。

今日は、第6シーズン3回目の分奏練習です。いつもと少し趣向を変えて、各パートごとに練習の様子をレポートしてもらいました。

ヴァイオリンパートは、前半を伊東先生、後半を安藤先生のダブルスタッフで教えていただきました。あれ?マエストロとの打ち合わせができてなかったようで、練習の曲目が、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、いずれもほんの一部だけの練習でしたが、これからの練習のヒントになる言葉をいくつかいただきました。

チャイコフスキーの弦樂セレナーデでは「クレッシェンドを作るのはセカンド」

同じクレッシェンドでも、1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンでその幅を変えることで、より効果的なクレッシェンドになることを実感しました。

バーバーのアダージォでは「♭の音を弾くときは♭の気分で弾く」

私たちが弾いたソの♭の音を聴いた伊東先生「僕にはその音が#(ファの#)に聴こえる」とおっしゃいました。平均律では「ソの♭」と「ファの#」は同じ音ですが、純正律の音を出すことが可能な弦楽器では、この二つの音はほんの少し違う音で、弦楽器の先生方は、この違いを鋭く聴き分けることができます。技術的には、弦を押さえる場所を若干ずらすのですが、伊東先生の今日の説明は「毛利先生的に精神論で言うよ。♭の音は♭の気分で弾くことが大事だ!」ということでした。毛利先生の理論は精神論とは違うんじゃない、と思いつつ、何だかとってもわかったような気がした筆者でした。

安藤先生指導

後半の安藤先生の部では、ハケン先生のコンチェルトの難関箇所を抜粋してさらいました。

安藤先生のアドバイスポイントは「16分音符はアップボウをしっかり弾くときれいに揃う」ことと「2拍目や4拍目に置かれたアクセントを意識することで、アメリカンな感じが出る」ことでした。そしてそれぞれが勝手に突っ走っては台無しになってしまうので「気持ちをそろえること」が大切と言われました。短い時間でしたが、よいヒントをいただきました。

by A.E.<Vn>

ヴィオラパートはいつものように全員参加で、今シーズン初めての「ヴィオラパートだけの練習」にワクワク。手塚先生に、チャイコフスキーの弦楽セレナーデとハケン先生のコンチェルトについて、弓順や指使いを中心に細かく教えていただきました。

また、どの音のタイミングをぴったり合わせるのが大事か、なども教えていただき、音楽のつくり方が見えてきた気がしました。

パートだけでの練習は、じっくり取り組めていいなぁ・・・ と集中していたら、マエストロの登場。

「写真撮ります!ジャン!と弾ききった感じで!」

え~~そういうのヤラセって言うんですよ〜〜

そしてしばらくすると、今度はヴァイオリンパートの指導を終えられた伊東先生を伴って再乱入!ともに見学にいらっしゃった堀江先生と併せて、気がついたら3人のヴァイオリンの先生がヴィオラのパート練習に加わっていました。

皆さん、本当はヴィオラが好きなのかな?それとも手塚先生の指導ぶりが見たかったのかしら??

賑やかで、笑いの多いパート練習となりました。

by K.N.<Va>

低弦パートの練習は、まずは、バーバーのアダージォから。

弾き始めてすぐに毛利先生からの質問です。

弦楽器の弓はヴァイオリンが一番長くコントラバスが一番短いのは何故でしょう?

ちなみにチェロの弓はヴァイオリンよりも7㎝短いそうです。うーん、音の高さの関係かな?

答えは、振幅に関係があります。大きい音量を得るには大きな振幅が必要かというと、必ずしもそうではないと毛利先生はおっしゃいます。高音域を担当する楽器であるヴァイオリンは、大きい音を出すために弓を速く動かす必要があります。ところが低音域の楽器であるチェロやコントラバスは、振幅を大きく得ようとして指板寄りで弓を速く動かしても、シンのある音にならず、かえって音が響かなくなってしまうのです。本当は駒近くで焦らずゆっくりと弓を引いた方が遠くまで音が響きます。だからチェロの弓はヴァイオリン弓も短く、コントラバスの弓はチェロの弓よりも短いのです!

はい、よくわかりました。この曲は、アダージォというだけあってゆっくりな曲で、しかもff(フォルテッシモ)で4拍を伸ばすところがあり、意識して駒近くで弾くことが大切、と言われました。

なるほど。確かに音にシンができてきて違ってきます。でも、気が緩むとつい、指板近くに弓が行ってしまいます。注意、注意。

休憩の後は、ハケン先生のコンチェルト。まずはゆっくりと、音、リズムの確認です。そしてしっかり楽譜を読むこと。第一楽章に2つの同じフレーズがあったのですが、先生は「よく見て、長さが違うよ」と。あっ、最後の音の長さが16音符分違う!ちっとも気がつきませんでした。

第三楽章では、ピチカートのスタッカートのやり方について。弦を弾いて響きを瞬時に止める方法を教えていただきました。結構難しい。練習あるのみ。

家で一人で弾くのもいいけれど、やっぱり仲間と弾くのは楽しいなと感じた1日でした。

by M.I.<Vc>

それぞれに実りのあった分奏練習を終えて、外に出てみたら、冷え込みがさらに厳しくなっていました。

辛いもので身体を温めよう、と今日はいつもの中華ではなく、新たに開拓した韓国料理のお店で乾杯です。