2月23日の練習会〜みんな、シゴかれました〜

練習前の音楽監督・マエストロからのお話

2月23日。前回の練習が「降る降るサギ」の雪予報の影響で中止になってしまったために、1か月ぶりの再会です。

前々回の練習は分奏でしたので、今日は久しぶりの全員合奏に、心がワクワクしています。

クニトオケと石オケの交替時間も、ウォーミングアップにいそしむ毛利先生です。そのおかげで石オケの団員は、心洗われるチェロの響きをBGMに入室するという贅沢を、練習会のたびに享受することができます。

ウォームアップされる毛利先生

さて、マエストロがスマホを片手に大声を張り上げています。

「はいはい、あと3分で始めますよ!!」

「あと2分」…「あと1分」…

今日から、少しでも練習時間を長くとるために、開始時間を5分間前倒しし終了時間も5分間延長することになりました。貴重な練習時間を無駄にしないように、みなさん、時間は厳守しましょう!

今日の練習は、ホルベルク組曲から開始です。昨年12月の『Nerimaユニバーサルコンサート』以来の久しぶりの演奏でしたが、おっと、最初からとてもいい感じです。テンポ感やその他の細かな点で再確認が必要な箇所もありましたが、この曲に関しては、何も言われなくても、マエストロの作りたい音楽の世界を団員たちが理解できているように感じました。完成まで、あと少しかな?

後半のメインの練習は、チャイコフスキー弦セレの第一楽章です。

実は今日の練習を前に、マエストロの意向により、大幅なプルト〈席順〉の入れ替えがありました。何が大幅かというと…

「今シーズンは、皆さん、だいぶ上手になってきましたので、講師の先生たちは後ろの方に入ってもらうことにして、団員をメインにしてやってみたいと思います。」

えっ、今まで先生方を頼りにしてたのに〜

「今日は、先生たち、楽器は弾かずに後ろに立って担当パートの間を巡回してください。それでは、先生抜きで、どれくらいできるかやってみましょう!」

今日も真剣なヴィオラチームのもぐもぐタイム

これは、たいへん。これまで先生方の音で隠されていた粗が丸見えです。特に講師の先生方に後ろから見られる後方プルトの団員は戦々恐々としています。練習は、音がバラついたり、マエストロの追求する音と違ったりする都度、ストップしては再確認、反復練習、という形で、丁寧に、そして厳しく進められていきました。団員たちの目も、今までよりグッと真剣になってきました。今日は、ずいぶんシゴかれたな〜という感じでしたが、実は、団員以上にシゴかれた方々がいます。それは、講師の先生方です。音を止めるたびに、マエストロが矢継ぎ早に、先生たちに質問を投げかけます。

「〇〇先生、ここはどういう意識で弾けばよいですか?」

「△△先生、もっと深い音を出すポイントを教えてください。」

「××先生、どうしたら音が揃ってくるか何かアドバイスありますか?」

といった具合に、即答を求めていきます。さらに、

「ここはこういう音が欲しいんです。先生、ちょっと弾いてみてください。」

と、模範演奏も求めるので、毛利先生などは、チェロを抱えて立ったり座ったりと大忙しです。

マエストロのレッスンは、生徒に質問をして自分で考えさせる、というアメリカ式なのですが、講師の先生方もまったく同じ形でシゴかれています。先生方は、普段、無意識に行っていることを言語化するのにたいぶ戸惑っている様子でしたが、徐々に慣れてくると、ある先生が言葉に詰まった時には別の先生が助け舟を出すなど、チームワークを発揮し始めました。

こちらは音楽の話……ではなさそう?

団員にとっても講師の先生方にとっても、緊張感と戸惑いの中で始まった今日の弦セレでしたが、とても新鮮で、本番に向かう気持ちを新たにできたよい時間となりました。ふと、指を折って数えてみたら、9月に始まった第6シーズンも、早くも6か月が経過し、本番まであと3か月。もう2/3が過ぎてしまいました。ここから、いよいよ佳境に入ります。これからも、充実した練習を重ねていきましょう。

by A.E.<Vn>