分奏練習の成果、お聴かせします~11月11日の練習会~

  • 2023年11月13日
  • 2023年11月13日
  • 練習
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11月11日。ここ数日で急に季節が進み、団員たちはみんな「今日は寒いですね。」と言いながら集まってきます。いよいよ寒さに身を縮めながら練習に通う季節となりました。

練習室に入っていくと、何やらいつもと様子が違います。

「今日は、まずパートに分かれてボウイングの確認など、わからないことを解決する時間にします。」

ということで、パート別に講師の先生の下で、主にブリッジの組曲第一楽章を細かくさらっていきました。

筆者の属するファーストヴァイオリン組の講師は李先生です。李先生の説明は、例えがとてもユニークです。そして、先生の雰囲気そのままに乙女チックな表現が多い気がします。同じようなフレーズの繰り返しでも単調にならないように少しずつ変化をつけることを説明するのに

「女の子がくるっと回ったときにスカートがフワッと広がるような感じで」

と表現されました。以前、別の場で指導された時も「好きな人に会いに行く時のような気持ち」とか「リボンが揺れるような」とかと可愛らしい表現を連発されていた記憶があります。具体的で光景が目に浮かぶような表現をしてくださるお蔭で、李先生の指導はとても心に残ります。そしてもちろん技術的なことも丁寧に説明してくださる李先生です。前回の練習会で話題になったアップボウの繰り返しについて「弓を戻す時にダウンボウをエアで弾く感じ」という李先生の説明をすっかりわかった気でいた筆者でしたが、弓の使い方の根本がまったく間違っていたことがわかって、貴重な時間となりました。

ところで、筆者たちのすぐ後ろでセカンドヴァイオリン組が分奏練習していますが、とてもよく通る声で流れるように技術論を展開している先生が指導しています。聞きなれない声なので

「え、セカンドには今日だけ特別講師の先生がいらしているのかしら?」

と思って振り向いてみたら、ステキな声の主はなんと、加賀先生、別名りゅうちゃん先生でした!内容まではよく聞き取れませんでしたが、とても堂々とした先生ぶりでした。しかもちょっと低音のバリトンで、りゅうちゃん先生のイケボが気になってしかたない筆者でありました。

分奏練習の時間が終了し、休憩をはさんで全体練習の開始です。

最初はエルガーのセレナーデの第一、第二楽章をさらいました。第二楽章に伴奏パートが延々と三連符で奏で続ける部分があります。マエストロに弾くときの心構えを問われた手塚先生の答えがふるっていました。手塚先生、胸の真ん中に拳固を当てながら

「このあたりに確固たるメトロノームを置いて」

みなさま、リズムパートを弾くときは、この魔法の言葉を忘れずに!

さて、次はいよいよブリッジの組曲です。

「さあ、それでは分奏練習の成果を聴かせてください。」

では、お聴かせしましょう。

お、何か、いい感じですよ。前回までより音も活き活きとし、ハーモニーも利いているような気がします。マエストロもちょっと嬉しそうです。とっつきにくいところがあって団員たちに今ひとつ人気のなかったブリッジですが、分奏の成果か、それともだんだん慣れてきたからなのかわかりませんが、一歩前進したのは確かなようです。気をよくしたマエストロは続いて第二楽章もスピードアップ。これもいい感じ、と思いましたが、マエストロとしては

「もうちょい、エスドゥア(E♭)感が欲しい」

そう、この曲、♯系になったり♭系に戻ったりと忙しいので、だんだん音が上ずっていってしまうんです。♭系は低めが大事ということですね。

まだまだ、修行は続きます……

 by A.E.<Vn>