あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今日は2025年の初練習です。
12月28日の年末最後の練習会を盲腸の手術のため欠席したマエストロも今日から元気に復活です。マエストロは少し瘦せられたようで、以前よりスッキリスマートになっています。たぶん入院中の病院食と規則正しい生活のおかげかと筆者は思いますが、マエストロは
「退院したら、食べても太らなくなりました。」
と自信満々。普通の生活に戻った今後のマエストロに注目しましょう。
マエストロ不在の前回の練習では、ハイドンのチェロ協奏曲を大木先生のソロ付きで毛利先生から指導していただくという豪華な時間をいただきました。マエストロとはまた違った視点で
「さすがは古典音楽の毛利先生!」
と感じるような多くの学びを得ることができ、同時にこの曲の楽しさがわかってきたような気がしました。
ウィルソンの組曲とモーツァルトディベルティメントも、だんだんと形になってきたし、定期演奏会に向けて順調に進んでいる……と言いたいところですが、実は一番の難曲がまだ手付かずの状態で残っているのでした。
バルトークのディベルティメント、第三楽章
「この曲は、アンコール曲なのですが、とっても難しいんです。」
マエストロは涼しい顔して言いますが、普通、アンコール曲にはもう少し気軽に弾けて、楽団が得意にしているような曲が選ばれるはずなのです。プログラムより難しい曲を選ぶところが、また他所とは違ったことをしたがる石オケらしいところではありますが……
はい、難曲なのは承知しています。数年前にプログラム曲として全楽章演奏した過去があり、多くの団員から「もう二度とやりたくない」という声があがっていたアレですね。
何でアンコールでやるのか、ひょっとして来シーズンの予告編?なのか、そのあたりは定かではありませんが、とにかくやってみましょう。
この曲の難しさは大きく分けて3つあります。
一つ目、全編ソロとTuttiに分かれていて、今回は先生方が担当するソロを追いかけるように弾いていくのですが、出遅れないように常に楽譜とにらめっこしていなければなりません。しかも第三楽章は超高速なので、油断しているとあっという間に置いていかれます。
二つ目、多くのクラシック音楽は調和と心地よさを重んじるので、フレーズは4小節とか8小節といったように偶数で切れるのですが、この曲、5小節、7小節といったように不規則な切り方をするところがたくさんあって、数えるのがたいへん。同じ音の繰り返しといえども気が抜けません。
三つ目、リズムだけではありません。バルトーク特有の音階でできているので臨時記号だらけ。
「ダブル♯ってどの音?」
「ファの♭?シの♯?何でミとかドとか書いてくれないの!」
と頭は大混乱です。
という具合で、最初から最後まで緊張感の中で演奏を強いられ、ドッと疲れました。本当にこの曲やったことありましたっけ?楽譜を見て数えながら弾くのは無理。身体に覚えさせるしかないとわかった試練のアンコール曲です。
そんな中、ひとり絶好調な伊東先生。久々のコンサートマスターの席が嬉しいようでノリまくっています。中ほどにソロのカデンツァがあるのですが、アドリブの部分がやたらと長い!自分の音に酔うがごとく気分よく「一生」弾いてます。
その間、その他大勢の我々は、低音のタイを延ばしっぱなし。弓を何度も上下させて弾き続けなければなりません。
「アドリブのところは毎回、違うんですよね。」
マエストロはマエストロで面白がってそんなことを言ってますが、メロディーはともかく長さは毎回変えないでほしいと思った筆者でした。
by A.E.<Vn>