数えてる場合じゃない!~3月8日の練習会~

  • 2025年3月9日
  • 2025年3月9日
  • 練習
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3月8日。みぞれ混じりの寒い夜にもかかわらず、団員たちは今日も元気に集まってきました。石オケブログ、しばらくご無沙汰でしたが、この間も練習会は、ほぼほぼ順調に続いております。

ふと気が付けば、定期演奏会まであと2ヶ月あまり。本当に仕上がるのか不安がよぎる時もありますが、ここからの追い上げが石オケの真骨頂と信じて精進していきましょう。

今日も前半は、大木先生のソロとともに、たっぷりとハイドンのコンチェルトに時間を費やしました。大木先生がソリストとして練習に付き合ってくださるのも、今日で確か4回目か5回目だったと思います。ソリストとの合同練習は、普通ゲネプロ含めても2回か3回くらいではないでしょうか。こんなに何度もできるオーケストラは、石オケだけだと思います。大木先生には大感謝です!それだけに、大木先生にはバックを気にせず気持ちよく演奏していただきたいですね。

「ソロの音にしっかり耳を傾けて、ソロの気持ちに合わせて演奏する」

前回の練習で言われたことを胸に刻んで、今日はソロの音にかなりシンクロできた実感がありました。それと同時に大木先生の奏でるあの「色っぽい」音が自分の中に入り込んできて、演奏しながら気持ちよくなってきました。恍惚の境地まで、あと一歩…かな?

休憩を挟んで後半。突然、練習予告になかったバルトークのディベルティメントをやることになりました。「えー、聞いてないよ」と戸惑う団員たちを余所に「やったー」と一人ほくそ笑む筆者でありました。

というのは…

伊東先生がヴァイオリン教室を開設した、という情報は前回の練習の時にマエストロからアナウンスがあったところです。すでに石オケの団員からも何人かが入門したようです。体験レッスンも歓迎、またHPには「室内楽のレッスンも承ります」とあったので、ファーストヴァイオリンの某団員とともに、体験レッスンに申し込みバルトークを教えていただくことにしたのでした。

池袋の駅近にあるレンタルスタジオがレッスン会場でした。

伊東先生のレッスンは、意外にと言っては失礼ですが、とても細かくそして理論的でした。そして、さすが室内楽やオーケストラの経験が長い先生らしく、ソロの演奏とは少し違う「オケの音」の出し方について言葉を尽くして教えてくださいました。

また、ワンフレーズごとに気になるところをチェックしては、一人ずつ弾かせて、それぞれの課題を指摘し、改善点を丁寧に説明していただきました。筆者は改めて自分の課題を再確認することができました。

そう、伊東先生は指導に熱がこもればこもるほど豊富な言葉で雄弁に語る熱血型の先生だったのです!!石オケではマエストロの“圧”におされて?咄嗟の一言が出なかっただけのようです。

筆者が

「同じ音型が何小節も続く部分がセカンドには多く、数えているうちにわからなくなってしまうのですが、どうすればよいのでしょう?」

と質問したのですが、返ってきた答えが印象的でした。

「いやいや、数えてる場合じゃないんだよ。そこはメロディーを覚えておくしかない。車に例えると、ファーストがボディでセカンドはエンジン。セカンドが進めていく役割なんですよ。だから、そういう意味でセカンドは、ファーストよりもっと曲を勉強しておかないといけない。」

と言って、セカンドのエンジン機能を実感できる模範演奏をしてくださり、さらに

「僕はね、石オケでこういう演奏を目指したいんだよ。」

こんな熱いメッセージまでいただきました。

団員のみなさま、ぜひ伊東ヴァイオリン教室のレッスンを体験してみてください。石オケのパート練習とはまた一味も二味も違った学びが得られると思います。そして厳しさとやさしさが入り混じった伊東先生の新たな魅力もきっと発見できると思いますよ。

そういう訳で本日の練習です。伊東先生の教えを糧に、この間、音源を一生懸命聴いたり、スコアを見たりして「数えない」演奏に臨みましたが、2ページ目で撃沈。4ページ目の長いエンジン部分に来て、結局必死に小節を数えることとなりました。奥が深すぎる……

練習会の帰り際、伊東先生に、先日はありがとうございましたとお礼を言ったら

「いやあ、この前えらそうに色々言っちゃったからマズいなあと思って、今日は一生懸命練習してきたよ。」

とルーキー先生らしい返事が返ってきました。その伊東先生らしさに溢れた一言に何だかとても温かいものを感じた筆者でした。

ここからのお話は蛇足です。

伊東先生の口から車の話が出るのも意外だったので聞いてみたところ、最近車の免許を取ったとのことでした。それが嬉しいようで、練習会の前日、親友のマエストロを誘って埼玉にある古墳にドライブに行ったそうです。マエストロによれば

「寒いだけでな~んもなくて誰もいないところでした」

とのことですが、ヴァイオリン弾きの男が二人で誰もいない古墳でいったい何を語り合ったのか興味をそそられますね。伊東先生は「古墳でコーフン」と愚にもつかないことを言って場をシラけさせていましたが、高校の文化祭のクラスの出し物が「古墳」で、その時のキャッチフレーズが『古墳でコーフン』だったことを突然思い出した筆者は、一人でひそかにウケたのでした。

 by A.E.<Vn>